2010/05/02

「”文学少女”と神に臨む作家 下」 野村美月 ファミ通文庫




“文学少女” と神に臨む作家 下 (ファミ通文庫)

“文学少女” と神に臨む作家 下 (ファミ通文庫)






久しぶりに、澄みきった読後感を味わえた作品でした。とても心に残りました。





いよいよ映画が公開ということで、ようやく本編最終巻を手に取りました。
続きが気になっていたのはもちろんなのですが、終わりを迎えたくない、という
気持ちが強くて、なかなか読み出す気持ちになれませんでしたよ。



いざ読み始めたら、もう続きが気になって気になって。普段は昼休みにしか小説は
読まないんですが、ガマンできずに家で読み終えてしまいました。
それぐらい先が気になるし、ストーリーも素晴らしく、尚且つ、エピローグが
とてもさわやかで、それでいて甘く舌先に残って、いつまでも余韻に浸っていられる
ような『味』でした。



うまく騙された、と書くと語弊があるかもしれませんが、ほとんどの人はひっかかって
しまったんじゃないかしら。
だって、誰もが遠子先輩は消えてしまうんだと思い込んじゃうだろうし、心葉はななせと
つきあってるんだと思うようになるよね?
だけど、そう騙されたことで、この『味わい』が生まれたのかと思うと、諸手を挙げて
拍手せざるをえませんね(笑)。



金色の風景、という言葉が、とても印象に残りました。
僕も、趣味とはいえ文章を書いているので、いつか、そんな風景を書けたら、そんな
作品を書きたいと、そう思います。



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