2006/05/21

そういや、麻衣とも昔は一緒にお風呂に入ったっけ。






「そうだな。俺たちも一緒に風呂に入って仲良くなったもんな」
 麻衣にそう言うと、菜月も顔負けなぐらいに顔を真っ赤にして怒鳴られた。
「いっ、いったいいつの話をしてるのよっ!!」
 俺はしばし考えて、
「えっと、3日前だっけ?」
「ええっ?」
「まあ……」
 フィーナが目を丸くして、俺と麻衣を交互に見つめていた。
「あの、失礼なことを聞くかもしれないけど、ふたりは兄妹、よね?」
 厳密に言えば、俺たちは兄妹じゃない。でも。
 俺は麻衣の髪を束ねている白いリボンに込められた約束を思い出しながら、
「ああ、兄妹だ」
「そうそう、兄妹兄妹兄妹ですっ!」
 と答えた。……って麻衣よ、そこまではっきりと肯定されるとちょっと寂しいんだが。
「ちょっとお兄ちゃん何言ってんの。わたしたちが一緒にお風呂に入ってたのは、もうずっ
と小さい頃の話でしょうがっ」
 すごい剣幕の麻衣に俺は、



「確か3日前、一緒に風呂掃除しなかったっけ」
 と言った。



 …………。



 天使が何人も通り過ぎた後、麻衣は無言で家を出て行った。
 残されたのは俺と、苦笑を浮かべるフィーナだった。
「少し、からかいすぎたみたいね?」
「そうらしい」
 俺は不器用に肩をすくめて、そう言った。
 やれやれ、仲直りするにはアレを買ってくるか。
 俺はバイト代の入ったばかりの財布を握り締めると、麻衣の大好物を買いに出かけた。



 結果から言うと、麻衣は機嫌を直してくれた。
 しかし、それは今月のイタリアンズの食生活と俺のこづかいが粗末になることと引き換
えだった。



おわり



あとがき



PCゲーム「夜明け前より瑠璃色な」のSSです。
タイトルと本文の関係がほとんどないんですが、まあいっか。



それでは、また次の作品で。



��006年5月20日 ハレテテユカイな日♪



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