2006/09/11

(ぷちSS)「夕焼け」(月は東に日は西に)(藤枝 保奈美)



「なおくん、朝だよ」
 保奈美が起こしに来る事で、俺の一日が始まる。
「ふわぁ~あ」
 のんびりとあくびをすると、保奈美はにこにこ笑顔だ。
「がんばってね、なおくん」
 そう言うと、保奈美は階段を下りていった。
 いつもなら俺がベッドから起きるまでねばるはずだが。
 首をかしげながら時計を見た俺は、30秒後には家を飛び出していた。
 玄関には、自転車の後部座席に跨った保奈美がにこにこ。
「がんばってね、なおくん♪」



 学園まで自転車を全力疾走させた俺は、ひいはあと息を切らせて
教室に飛び込んだ。
 幸いにして結先生はまだ来ておらず、俺は到着早々自分の机で
休息モードに入るのだった。
「ありがと、なおくん」
 保奈美の声が聞こえたので、ひらひらと手を振って俺は眠りに入った。



 古文の授業中ずっと寝ていた俺を、結先生は教科書を丸めてぽかり
ぽかりと叩いていたらしい。
「なおくんが起きないから、結先生すごくしょんぼりしてたんだよ」
 お昼をカフェテリアで食べながら、保奈美が教えてくれた。
「そうは言っても、眠いものは眠いんだからしょうがない」
「なおくんなら、そう言うと思った」



 放課後、授業中寝ていた罰として結先生の手伝いを言いつけられた
俺は、空が茜色に染まる頃にやっと解放された。
「疲れた……」
 窓からさしこむ茜色は教室全体を染めていた。
 誰もいない教室はなんだかすごく不自然で、俺はしばらくぼんやりと
していた。
「なおくん?」
 声をかけられ振り向くと、そこには保奈美がいた。
「どうしたんだ、こんな時間に」
「わたしは部活だったんだよ。さっきそこで結先生に会って、なおくんが
教室にいるっていうから」
 わざわざ来なくてもいいのにな。保奈美らしいけど。
「……ありがとな」
「うん」
 わざわざ言う必要もないのだが、一応お礼を言っておいた。
 保奈美のうれしそうな笑顔が、夕焼け色に染まってすごくきれいだった。












おわり



あとがき



何も考えてないとこんなありきたりというか、山も谷もない内容の文章しか
書けません。
ほなみん、お誕生日おめでとう~♪
実はこのメッセージが書きたかっただけなのかもしれません。



それでは、また次の作品で。



��006年9月11日 藤枝保奈美さんのお誕生日♪



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