2000/03/05

瑛里華の突撃大作戦!(FORTUNE ARTERIAL ぷちSS)



「孝平っ、二月よっ」
「そうだな、瑛里華」
「ほら、元気出しなさい。今月は私が主役なんだから!」
 孝平の背中をぱしんっと叩いて、瑛里華はお馴染みの勝気な笑みを浮かべた。
「それはどういう意味なんだ?」
「言葉通りの意味よ。今月は私が生徒会の中心となって、率先して行動するの。寒いからっ
て縮こまっていたら、せっかくの学院生活がつまらなくなってしまうもの。だから、胸を
張って、背筋をぴんと伸ばして、歩きなさい」
 自分の言葉の通り、瑛里華はきれいな姿勢で歩いている。思わず息を飲んでしまうほど、
それは素晴らしいものだった。
「や、やだ……。あんまり見つめないでよ」
「えっ? あ、いやそーゆーつもりで見てたわけじゃないからっ」
「……それはそれで、ちょっと残念」
「どっちがいいんだよ」
「女の子はフクザツなのよ。状況に応じて対処しないとね。さしあたって、今は」
「今は?」
「手を繋ぎましょう♪」
 瑛里華の手は少し冷たくて、でも、すぐにあたたかくなった。



「おはようっ、孝平!」
「おはよう、瑛里華。今日も元気だな」
「当たり前じゃない、私を誰だと思っているのかしら?」
 瑛里華は得意気に胸を張る。形の良い胸が強調されて、孝平はごくりと唾を飲み込んだ。
「どうしたの、熱でもあるのかしら。顔が赤いけど」
「い、いや、そういうことじゃないんだ。ははは」
「ふうん。ま、孝平の考えてることはわかってるから、何も言わないでおいてあげるわ。
それじゃあ、今日もがんばっていきましょう!」
 元気よく歩き出す瑛里華に遅れないように、孝平も歩き出した。
「うんうん、えりりんは元気だね~」
「それはそうだよ、だって千堂さんだもん」
「こーへーも元気だったよね。……一部分が特に」
「それはそうだよ、だって孝平くんだもん♪」
 ふたりの後ろ姿を眺めながら、悠木姉妹はにこにこと笑いあう。



「ねえ、孝平。今日は節分ね」
「ああ。豆まきでもするか?」
「せっかくだけど、今日はおとなしくしておくわ。鬼は外、福は内って言うでしょ」
 瑛里華はどう見ても元気が無い。
「よくわからないんだけど、どうしてそれでおとなしくしてなきゃならないんだ?」
「あのね、私は吸血鬼なのよ」
「知ってるよ。でも、俺は瑛里華のことが好きだ」
「ば、ばか……いきなり何言うのよ」
「恋人が元気なかったら、心配するのは当然だろう」
「孝平……」
 瑛里華の瞳が潤む。
「……ふぅ」
 二人だけの世界に、冷ややかな視線を送り続ける黒髪の少女がため息をついた。
「……何よ、紅瀬さん。今いいところなんだから邪魔し・な・い・で」
「別に、邪魔をしているつもりはないわ。貴方たちが好きにしているように、私も好きに
させてもらっているだけだから」
 ネネコに福豆を放り投げながら、桐葉は答えた。



「瑛里華、おはよう」
「おはよう。昨日はごめんなさいね、孝平」
「気にするなって。まあ、俺としては普段見られない瑛里華の表情が見られたから、ちょっ
とだけ得した気分だよ」
 おちゃらけたことを言う孝平に、瑛里華は頬を膨らませる。
「もうっ、私は落ち込んでいたのに、孝平はそんなことを考えていたのね」
 すたすたと歩く瑛里華を追いかけながら、孝平は言った。
「だって、俺は瑛里華のことが好きだから、瑛里華のことばかり考えてしまうんだ」
 ぴたりと足を止める瑛里華。
「どうした、瑛里華?」
「もう……馬鹿なんだから」
 孝平の手を掴んで、瑛里華は走り出す。
「私も、孝平のことが好きだから、孝平がいやな気持ちになってないか、とか考えてたの
よ。でも、もうそんなこと考えなくてもいいってわかった」
 勝気な笑みを浮かべて、瑛里華は笑う。
「心配がなくなったところで、今日もがんばるわよっ、孝平!」



「孝平、その書類が終わったら休憩にしましょう」
「ああ、もうすぐ終わるよ。……よし、これでオッケーっと」
 出来上がった書類をクリップでまとめると、孝平は大きく伸びをする。
「今日は白がローレル・リングでいないから、いつもより大変かもね」
「ちょっとだけ、な。白ちゃんもがんばってるんだし、俺たちでフォローすればいい。時
間が出来たら、俺たちが白ちゃんを手伝うってのもいいかもな」
「そうね。たまにお手伝いできれば、白もシスター天池も喜ぶでしょう。さてと、それじゃ
お茶の準備をするわね。今日はコーヒーでいいかしら?」
「うん、ありがとう。……珍しいな、瑛里華は紅茶が好きだと思ってた」
「ええ、好きよ。でもね、年がら年中紅茶を飲んでいるわけじゃないわよ。白は日本茶、
陽菜は紅茶。それじゃあ、私はコーヒーでも極めてみようかな、なんてね」
 そういうと、瑛里華はコーヒーミルを取り出して、自らの手で豆を挽きだした。
「お、随分本格的だな。俺なんてインスタントと缶コーヒーしか飲んだことないかも」
「大げさね、孝平は。まだ見よう見真似の段階なんだから、あんまり褒めちゃだめよ」
 やがて、コーヒーの香りが監督生室に漂ってくる。
「う~ん、こういう匂いって、なんだかいいよな」
「でしょう? 待っててね、もうすぐ出来るから」
 そして、瑛里華の笑顔とともに、瑛里華のコーヒーが出来上がった。
「……ど、どうかな?」
「……うん、うまい。挽きたてってのもあると思うけど、うまいよ、これ」
「よかった。……コーヒーはね、飲む人のことを考えながら豆を挽くの。それが、おいし
いコーヒーの淹れ方なんだって」
 瑛里華は自分のコーヒーを念入りに冷ましてから口に含んだ。
「うん、まあまあかな。今度は、孝平が私のためにコーヒーを淹れてね。大丈夫よ、ちゃ
んとみっちり教えてあげるから」
 香りとともに、幸せな時間が広がっていく。



「ところで、ひとつ質問があるんだけど、いいかしら?」
「ああ、俺に答えられることなら」
 瑛里華は、こほんと咳払いをすると、おずおずと切り出した。
「こ、孝平は、甘いのと苦いの、どっちが好き?」
「は? いったい何の話なんだ?」
「いいから、何も聞かずに答えて」
「そうだなあ、どっちかというと甘いほうかな」
「そ、そうなんだ……。じゃあ、甘いのとちょっと甘いのと、すっごく甘いのだとどうか
しら」
「……ちょっと甘いの、だな」
「……なるほどね。わかったわ、ありがとう」
 瑛里華はすっきりした感じで、にこやかに微笑んだ。
「一週間後を楽しみにしてて。それじゃっ、仕事の続きをがんばりましょう♪」



「あ、孝平。ちょうどよかった。悠木さん、まだいるかしら」
「陽菜か? えっと、あ、あそこにいるな。おーい、陽菜!」
 手を振る孝平のところへ、ぱたぱたと陽菜がやってくる。
「どうしたの、孝平くん。あ、千堂さん」
「こんにちは。あのね、今日のお昼は予定が埋まってる?」
「? お姉ちゃんと食べるつもりだったんだけど」
「悠木先輩ならちょうどいいわ。私も一緒に行ってもいいかな」
「え? う、うん。いいけど、突然どうしたの?」
「ちょっと……ね」
 と、瑛里華は孝平のほうをちらりと見た。
「えっと、もしかして俺は邪魔だったりするのか?」
「出来れば今は外してもらえると助かるわ」
「わかった。それじゃ、俺は司とメシを食うことにするよ。陽菜、瑛里華をよろしくな」
 手を振って歩いていく孝平を見送って、瑛里華は通り過ぎようとする黒髪の少女にも声
をかけた。
「紅瀬さん。あなたにもお願いするわ。協力して」



「……どうして私が」
 予想通り、桐葉は煩わしそうに言う。
「いいじゃない、たまには協力してくれても。あ、もしかして私に嫉妬してるから協力し
たくないとか」
「そんなわけないでしょう。それにどうして私が貴女に嫉妬しないといけないのよ」
「……孝平を私に取られたから?」
「取られた覚えなんてないし、そもそも支倉君は私のものではないわ」
「それじゃあ、いいでしょ。お願い、お礼はちゃんとするから」
 頭を下げてお願いする瑛里華に、桐葉も戸惑いを隠せない。
「紅瀬さん。千堂さんに協力してあげようよ。ここまで一生懸命なんだもん」
「……ふぅ、しかたないわね。今回だけよ」
 陽菜の言葉に、溜息混じりに同意する桐葉だった。



「みんな、今日は来てくれてありがとう」
 瑛里華は、監督生室に集まったみんなに挨拶をする。
「私は、来たくて来たわけじゃないけどね」
「それでも来てくれたんでしょう。なら、お礼は言わせてもらうわ」
「……物好きな人ね」
 桐葉は小さく溜息をつく。
「それで、えりりん。今日はいったいどうしたの?」
「もうすぐ、女の子にとって特別な日なんだけど、みんな準備は進んでる?」
「私は、買い物は済ませたけど。何を作るかはこれからかな」
「さっすが、ひなちゃん♪ わたしはこれから準備しないと」
「そう思って、お姉ちゃんの分も買っておいたからね」
「やっぱりひなちゃんはわたしのヨメだね♪」
「わ、わたしはいろいろと考えているのですが、まだどうするかは決まっていません」
「オッケー。ひとりで準備するのもいいと思うんだけど、みんなで協力すればもっともっ
といいものが出来上がると思うの。だから、みんなの力を貸してほしいの。お願いします」
 頭を下げる瑛里華に、みんながあたたかい眼差しを向ける。
「ここに集まったってことで、その答えにはなってると思うよ、千堂さん」
「そうだよ、えりりん。みんなで力を合わせて、こーへーに喜んでもらおう!」
「わ、わたしでよろしければ。よろしくお願いします、瑛里華先輩」
「……今回だけ、と約束したから」
「ありがとう、みんな。それじゃ、早速取り掛かりましょう♪」



「やあ、支倉君。久しぶりだねぇ~」
「あ、伊織先輩。こんにちは、お久しぶりです」
 授業が終わり、監督生棟に向かって歩いていると、噴水前で伊織が立っていた。
「どうだい、生徒会の仕事は順調かな?」
「そうですね、今のところは。瑛里華を中心に、俺と白ちゃんでちゃんとサポートできて
いると思います」
「そうかそうか。特に、支倉君は瑛里華のプライベートもサポートしてくれているみたい
だから、頼もしいねえ」
 楽しげに笑う伊織。
「そこのところ、もう少し詳しく教えてくれないかい。ああ、食堂棟まで行こうか、大丈
夫、今日は俺のオゴリだから♪」
「え、でも俺、生徒会の仕事が」
「大丈夫大丈夫、瑛里華には話しておいたからさ。何なら、電話して確認しても構わない
よ?」
 こうまで言うからには、本当に瑛里華に話しているのだろう。まあ、最近はイベントも
ないし、暇だからたまには骨休めしろってことかな。
「わかりました。それじゃ、お言葉に甘えてごちそうになります」
「そうこなくっちゃ! ようし、今日は無礼講だ。たくさん飲んでくれたまえ♪」
「あの、俺たち学生ですよね……」
 伊織に肩を抱かれて、孝平は食堂棟へ向かうのだった。



「あの、瑛里華先輩」
「どうしたの、白。何かわからないところでもある?」
「いえ、そうではないのですが、ここで作業をしているところを支倉先輩に見られてしま
うと、まずくないでしょうか」
 白は入り口のほうを気にしながら、瑛里華に声をかけた。
「大丈夫よ。兄さんに支倉くんを足止めするように頼んでおいたから♪」
 瑛里華は材料をそろえながら、得意気に語る。
「さすが千堂さん。計画に漏れがないね」
「ということは、今頃こーへーはいおりんと?」
「……肩を抱かれながら、食堂のほうに向かっているようね」
「がーん! いおりんに先を越されちゃった……」
「ちょっと紅瀬さん、見てきたようなこと言って不安がらせないでよ」
「見えたのよ。ちょうどこの窓から、ついさっき二人が歩いていくのが」
 桐葉が指し示す窓からは、米粒のような人影しか見えなかった。



「さあてと、みんないつまでも窓の外を見てないで、作業に戻りましょう」
「で、でも瑛里華先輩……」
 白は不安でいっぱいの表情を瑛里華に向ける。
「大丈夫よ、白。わたしたちはわたしたちにできることをするの」
「ずいぶん、余裕ね?」
 桐葉がわずかに驚きを含んだ眼差しを瑛里華に向ける。
「そう見えるなら、私の演技もたいしたものね。演劇部にスカウトされるかしら」
「えりりんは、不安じゃないの?」
 かなでは小首を傾げて、瑛里華を見る。
「ゼロではないけど。でも、私は孝平を信じているから」
「……千堂さん、すごいね」
 陽菜が尊敬の眼差しを瑛里華に注ぐ。
「それに、一応、兄さんも信じているしね」
 ウィンクをしてみせた瑛里華を見て、みんなは安心して作業に戻った。



『今日はごめんなさい。兄さんの相手は大変だったかしら? そのお詫びというわけでは
ないけど、明日はとっても楽しいイベントになるから、楽しみにしててね!』
『こっちこそ、仕事をサボることになったから、おあいこだな。多分、後で伊織先輩にい
ろいろからかわれることになると思うけど、少しぐらい手加減してあげてくれ。悪いのは、
俺だからさ』
『き、気になるんだけど、ものすごく。……今からそっちに行ってもいい?』
『おいおい、もうすぐ消灯だぞ。気持ちはわかるけど、今日はやめておいたほうがいいと
思うぞ』
『わかってるわよ。ちょっと言ってみただけ。……でも、孝平が来ていいって言ったら、
行ってたかも』
『それこそ、伊織先輩にネタを提供するようなものだけど、来たら来たで俺も自分を抑え
られないかもしれないな』
『孝平、エッチね』
『……否定できないけど、瑛里華だって、こないだはあんなに乱れてただろ』
『……やめましょう、この類の話は、きっと堂々巡りになるに違いないもの』
『そうだな、それじゃあ、明日に備えてそろそろ寝るか』
『ええ。おやすみなさい、孝平』
『おやすみ、瑛里華』
 最後のメールを打ち終えると、孝平は送信ボタンを押してから、携帯電話を充電器に戻
した。
「明日が楽しみだな」
 輝く星空を見ながら呟くと、孝平はベッドにもぐりこんだ。



 終わりのホームルームが始まったときに、突然放送が入った。
『ぴーんぽーんぱーんぽーん。みんな久しぶり。元会長の千堂伊織です。ちょっとだけ俺
に時間を貸してくれ。なあに、時間は取らせない。今日が何の日かは、みんな知っている
よね。……そう、バレンタインデーだ。どうやら今年は、生徒会のメンツが中心になって、
何かやってくれるらしいよ。時間のある人は、噴水前に集合だ。それじゃ♪』
 それぞれの教室から、キャーという黄色い歓声が聞こえる。あの人は、いったい何をす
るんだ?
『あー、言い忘れたけど、これは瑛里華に頼まれた放送なんだよ。そこのところをわかっ
てくれると、未来のお兄ちゃんはうれしいよ、支倉君♪』
 わざとらしく付け足された放送に、それぞれの教室から笑い声が起こった。
「あの人、ほんとなんでもアリだな」
「んで、未来の弟はどうすんだ、孝平」
「どうするって、行くしかないだろ、司」
「ま、がんばれ」
 孝平はかばんを持つと、ダッシュで駆け出した。



 噴水前に着くと、放送を聞いたであろう生徒たちがたくさん集まっていた。
 泉の前には簡単なステージが作られている。
「いったい、何が起こるんだ?」
 と孝平が呟いたとき、どこからともなくマイクの音声が聞こえてきた。



かなで「修智館学院に集いし、我ら5人の美少女っ」
桐葉「……清く、正しく、麗しく」
陽菜「た、珠津島と学院の平和を守りっ」
瑛里華「愛と勇気と希望と幸せにあふれた学院生活をとことん盛り上げる!」
白「ふぉ、ふぉ、『ふぉーちゅんファイブ』っ。ここに参上です~」



 ちゅど~ん
 という音と五色の煙とともに現れたのは、お茶会の面々だった。
 いや、一応生徒会のメンツというべきなのだろうか。
「みんな、今日は来てくれてありがとう♪ せっかくのバレンタインなので、今日は私た
ちでチョコレートを用意したの。男の子も女の子も関係なく、みんなにプレゼントするわ♪」
 なぜか美化委員会の制服に身を包んだ瑛里華が、満面の笑みで宣言した。
 そして、周りにいる4人も、同じく美化委員会の制服だった。
「うんうん、俺が自腹を切った甲斐があったというものだ」
「伊織先輩? いつの間に」
「最初っからさ。さて、それじゃ俺たちもチョコを配るのを手伝おう!」
「……めちゃくちゃ楽しそうですね、伊織先輩」
「もちろんさ。支倉君はどうだい?」
 孝平は壇上の瑛里華を見て、こう言った。
「楽しいですよ、とっても」
 そう、無条件でそう思えるほど、瑛里華は輝いていた。



「今日はごめんなさいね、孝平」
 いつものお茶会の席で、瑛里華はそう切り出した。
 といっても、今日は孝平と瑛里華のふたりだけなのだが。
「いや、俺も楽しかったから。それにしても、いつの間にあれだけの仕掛けを作っていた
んだ?」
「一週間前ぐらいかな、孝平にチョコの味について質問したことがあったでしょう。あの
時は、ただ普通にバレンタインのチョコを作るつもりだったの。でもね、みんなに協力し
てもらってチョコを作っているときに、ふと思ったの。せっかくだから、みんなで楽しめ
るイベントにしたいなって」
「そういうことか。学院のみんなもすっごく楽しんでたみたいだし、イベントとしては大
成功じゃないか?」
「ええ。征一郎さんがシスターに話を通しておいてくれたし、兄さんも衣装とか提供して
くれたし、助かったわ。孝平がいれば、わざわざ兄さんたちにお願いする必要はなかった
んだけど、今回、孝平にはぜひ一般生徒と同じ立場で参加してほしかったから」
「どうして?」
「だって、孝平の驚く顔が見たかったから♪」
 瑛里華はパチリとウインクすると、紅茶を口に運んだ。
「それは驚くさ。だって、突然出てきたと思ったら、『ふぉーちゅんファイブ』だろ。あ
れはやっぱりかなでさんのネタか?」
「よくわかったわね~。そう、五人揃ったんなら、これやらなくちゃって、もう止められ
なかったわ。紅瀬さんは最後まで渋っていたけど、やってくれたんだから彼女には感謝し
ないとね」
「俺からもお礼を言っておくよ。制服似合ってたって」
「あら、私の制服姿はどうだったのかしら」
「言わなくちゃだめか」
「だめってことはないけど、聞きたいわね」
「……似合ってた、すごく可愛かった、思わず抱きしめたくなった」
「……、……あ、ありがと」
 お互い顔を真っ赤にしたまま、時間がゆっくり過ぎていく。



「あ、あのね、孝平。さ、寒くないかしら」
「そ、そうだな。……二月だからな」
「……もう少し、そっちに行っても、いい?」
「あ、ああ」
 差し向かいに座っていた瑛里華が、座布団と自分のマグカップを持って、孝平の隣にやっ
てきた。
「どうだ、少しはあったかくなったか?」
「……まだ寒い、かしら。ほら、私の手って、冷たい、から」
 孝平は瑛里華の手を取ると、やさしく包み込む。
「本当だ。でも、これで少しはマシになっただろ?」
「ま、まだ冷たいもの。だから、もっと……してほしいわ」
 瑛里華は孝平の膝の間に入ると、ゆっくりともたれかかる。
「……瑛里華って、手は冷たいけど、身体はあったかいな」
「そ、そう? だったら、孝平ももっと……くっついてもいいわよ」
 孝平はゆっくりと瑛里華の腰に手を回す。
「……あったかいな」
「……うん」
「それに、いい匂い」
「だめよ、まだお風呂に入ってないもの」
「俺は、気にしないけど」
「だあめ。それに、まだ私のチョコレート、食べさせてあげてないもの」
 瑛里華はきれいにラッピングされたリボンをほどくと、中からチョコを一粒手に取った。
「はい、あ~んして」



「あ~ん」
「……ふむふむ、虫歯はないみたいね」
「っておい、誰かが見てたらめちゃくちゃ恥ずかしいぞ、今の俺」
「大丈夫よ。今の孝平は、私だけが見てるんだから」
 にこにこ笑顔の瑛里華だが、孝平はきょろきょろとあたりを見回す。
「どうしたの?」
「いや、どこかからかなでさんが見てるんじゃないかと思って」
「わ、私は見られても……平気なんだけど」
「そんなこと言ってて平気なのか? これからもっとすごくなるのに」
「へ、平気よ。それに、悠木先輩が見ているのなら、こっそり見続けるなんてできないと
思うの。だから、大丈夫なの」
「わかったよ。それじゃあ、そろそろ続きをしようか?」
「……もう、えっちね」
「いや、チョコを食べさせることの何がえっちなんだ」
「そんなこと……恥ずかしくて口に出せないわ……♪」
「おーい、瑛里華ー」
「冗談よ。はい、あ~ん♪」



「……うん、おいひい」
「そう、なんだ……っ」
「ほーはひはは?」
「できれば、私の指まで食べないでほしいんだけど……くっ」
「……いやあ、ごめんごめん」
「確信犯でしょ」
 孝平はあさっての方向に目をそらす。
「まったくもう……、ほんとに悠木先輩には見せられない光景よね」
「少しぐらいいいじゃないか。いつもはもっと……」
「だ・め・よ。……まだ、夜は長いもの」
 瑛里華は孝平の手を離すと、身を正して座った。
「……何をする気だ?」
「何をしてあげたいか、わかるでしょう」
 瑛里華は、ぽんぽんと膝を叩く。



「なんだか、どきどきするな……」
「大丈夫よ、他の人に見られてるわけじゃないんだから。それとも、こういうのはイヤ?」
「そんなことないって。それじゃあ、お言葉に甘えて」
 孝平はゆっくり身体を横たえると、そーっと瑛里華の膝の上に頭を乗せた。
「これでいいか」
「もうちょっとこっち……そう、そこで」
 少し頭の位置を調整して、ようやく収まった。
「……膝枕って、子どもの頃以来かな。すごく懐かしい気がする」
「そうなんだ……いいわね、そういう思い出があるって」
「瑛里華?」
「私は、膝枕の思い出ってないから」
「……」
「あ、ごめんなさい。別にしょんぼりなんてしてないわよ。思い出がないだけで、今なら、
きっとお願いしたら母様はしてくれると思うから」
「……そう、だな」
 恥ずかしがって、してくれないんじゃないかと思ったが、それは言わないでおこう。
「どう、孝平。気持ちいい?」
「ああ。適度にやわらかくて、気持ちいいな。頭を撫でられるのも……悪くない」
「そう、よかった♪」
 瑛里華はとても嬉しそうに微笑む。
「それに、瑛里華のいい匂いがするから」
「……も、もうっ、そういうことは心の中だけで閉まっておいてね。……恥ずかしいじゃ
ないの」
 恥ずかしがりなのは、親子揃ってだなと思ったが、黙っておく。
「さてと、それじゃ次のステップに進みましょうか♪」
 瑛里華は、小さな道具を取り出した。



「これが何かわかる?」
「……耳かきの棒、だよな」
「そうよ。ちゃんと先っぽに梵天もついてるスグレモノなの。母様がくれたのよ♪」
 瑛里華は嬉しそうにくるくると耳かき棒を回す。
「それじゃはじめるわね。動いちゃだめよ。孝平の耳が大変なことになっちゃうから」
「おいおい、丁寧にやってくれよ……」
 えらく楽しそうな瑛里華の口調に不安を隠せない孝平だったが、瑛里華の作業は丁寧そ
のものだった。
「他の人にやってもらうと、自分でやるよりもきれいになるからいいよな。自分でやると、
どうしても手探りになるからさ」
「そうよね。……あっ、おっきい。……すごいわ、孝平」
 瑛里華は慎重に耳の中に棒を入れていく。
「あっ、そっちじゃないってば……ううん、見にくいわね。孝平、もう少しこっちに……
そうそう、そのまま動いちゃだめだからね」
 瑛里華の胸が顔の目の前にある、と言ったら大変なことになりそうなので、孝平は目の
前の果実を眺めながら、時が過ぎるのを待つしかなかった。
「よし、取れたわ」
「ほんとか? って、こりゃでかいな」
「そうでしょう? もう、こまめに掃除してないからよ」
 瑛里華は梵天を入れると、やさしく動かした。
「ぅくっ……、くすぐったいな、それ」
「……もしかして孝平って、くすぐったがりなの?」
「そうでもないんだけど、その梵天はちょっとニガテかも」
「そう。……それじゃあ、これならどうかしら」
 瑛里華は孝平の耳にそっと息を吹きかける。
「ぅあ……」
「孝平、気持ち良さそう……」
「ちょ、ちょっと待って」
「それじゃあ、今度はこれなら……」
 瑛里華は口を開くと、舌先をゆっくりと差し入れた。



「ぺろっ……ん、っん……」
「くぁっ……っ!」
 瑛里華がゆっくりと舌先を動かすと、孝平は思わず声を上げてしまう。
「気持ちいいのでしょう? わかってるわ、孝平のことならなんでも、ね」
 頬を上気させ、次第に息を荒くしながら、瑛里華は行為を続ける。
「ちょっ……ダメ、だ……これ以上はっ……」
「動いちゃだめって言ったでしょう。今は私の番だもの」
 瑛里華は孝平の口を、自らのそれで塞ぐ。と、同時に今度は口内に舌を差し入れて、孝
平の動きを封じる。
 あたたかくやわらかな舌を感じながら、孝平の意識は靄がかかったように鈍くなってい
くが、下半身は熱を帯びていく。
「え……り……か」
「まだ、こっちが残ってるから、もう少し待っててね?」
 瑛里華はそういうと、反対側の耳にも同じように舌を差し入れた。



 瑛里華の動きに反応してくれる孝平が、瑛里華にはたまらなく嬉しかった。
「は~い、これでおしまい。……どうだった? って、聞かなくても孝平の反応がすごかっ
たから、答えなくてもいいけど」
「……ぁ……れ……?」
 口を開こうとした孝平だったが、うまく言葉が出てこない。
「うん? どうしたの、孝平。何か様子がおかしいけど」
「……か、らだ……しび……れて……」
「えー??」



 ……。…………。



 数分後、やっと動けるようになった孝平が言うには。
「か、感じすぎちゃって、身体がしびれちゃったの?」
「……どうやら、そうとしか思えないんだよな。今は、だいぶよくなってきた気がするし」
 孝平は腕を回してみる。少々ぎこちなさはあるが、ちゃんと動いている。
「……孝平は、耳が性感帯ってこと?」
「俺に聞かれても困るけど……、くすぐったいのと気持ちいいのが同時にやってくるとい
うか。そもそも気持ちいいのかどうかもよくわからないな」
「……Mの人が、叩かれた痛みを気持ちよく感じるのと同じなのかしら」
「それは、俺が普通じゃないと言いたいのか?」
「まあ、ある意味普通じゃあないわよね」
 紅いかけらが体内にあるわけだし。
「もしかして、相手が瑛里華だからなのかも、な。ほら、瑛里華も俺の血に反応してただ
ろ」
「うーん、結局のところ、全部推測でしかないわけよね。確かめる術もないし。ごめんな
さい、今度から気をつけるわ。ちょっとやりすぎたんだと思う」
 瑛里華は素直に頭を下げる。
「そうしてもらえると助かるかな。あ、このことはふたりだけの秘密にしておいてくれよ。
他の人に知られても困るから。特に、かなでさんに聞かれでもしたら……」
「したら?」
「きっと、毎日、俺の耳で遊ぶと思う」



「毎日じゃないよ。今からだよ~♪」
「かなでさん?」
「悠木先輩?」
 突然聞こえた声に孝平と瑛里華の二人が揃って振り向くと、そこにはかなでが小さい胸
を張って仁王立ちしていた。
「わたしを呼べば、どこからでも現れるんだよ、こーへー」
「いえ、呼んでませんが」
「何を言ってるのかな、こーへー。さっき、わたしの名前を『呼んだ』でしょ」
 かなではそう言うと、孝平の背後に回った。
「うりうり~、ここか~、ここがええのんか~?」
 かなでは孝平の耳の穴に小指を入れてぐりぐりと動かす。
「ぬわっ、ちょっ、やめてくださいよ~」
「そうですよ、悠木先輩! 孝平がいやがってる……って、えええっ?」
 孝平は先ほどと同じように、だらりと弛緩している。
「ふっふっふ。こーへーのことなら、お姉ちゃんにおまかせ♪」
「……くっ、また……これ……かよ……」
「どうやら、えりりんに開発されちゃったみたいだね。お姉ちゃん、ちょっとフクザツか
な」
「私のほうが複雑な気持ちですよ。ああ、もう、どうしたらいいのよ……」
「こうするといいよ、千堂さん」
「え、ひなちゃ」
 えいっ、と陽菜はかなでの首筋に一撃を加えた。
「きゅう~」
「ごめんね、ふたりとも。それじゃあ、お騒がせしました。千堂さん、孝平くんのことよ
ろしくね?」
「……ええ、ありがとう。悠木さん、助かったわ……本当に」
 陽菜はかなでを抱えると、孝平の部屋を出て行った。
「……大丈夫、孝平?」
「……ああ。一瞬だったから、しびれる時間も、短くてすんだみたい、だ」
「よかった。本当にごめんなさい。明日から、孝平のことは私が守ってあげるからね」
 瑛里華は力強く宣言すると、ふと首を傾げた。
「あら、ところで、悠木姉妹はどこから出てきたのかしら?」



「あ、おはよう、孝平」
 だるい身体に軽く鞭を打ってドアを開けたら、そこには瑛里華が立っていた。
「おはよう、瑛里華。どうしたんだ、こんなに早くに」
「今日は、孝平と一緒に登校しようと思って……いいかしら?」
「もちろん」
 二人は並んで階段を下りていく。
「昨日言ったでしょ。孝平は私が守ってあげるって。だから、登下校から
一緒にしようと思ったの」
「心配のしすぎだと思うけどな。かなでさんは陽菜が何とかしてくれるだろうし」
「それはそれでいいのよ。悠木さんには私からもメールでお願いしておいたしね。でも、
私自身も何かしなきゃって思って」
 女の子に守られるなんて……と思っていた孝平だが、ここまで心配してくれるのはそれ
だけ自分のことを考えてくれているんだと思うと、自然と笑みがこぼれた。
「ありがとうな、なんだか元気出てきた。さっきまでは、まだ少し身体にだるさがあった
んだけど。これも瑛里華たちのおかげかな」
「そう言ってもらえて嬉しいわ。それじゃ、元気良く今日も一日がんばりましょう♪」



「孝平、お昼の時間よ!」
「おう、って来るの早いな」
「ご、ごめんなさい。……迷惑だった?」
「いや、そんなことないよ。ありがとな、瑛里華」
「貴女……いつの間に押しかけ妻になったの?」
 二人を冷ややかな視線で見つめながら、桐葉が瑛里華に話しかけた。
「誰が押しかけ妻なのよ! ……まあ、そう呼ばれて悪い気はしないけど」
「満更でもなさそうだね、千堂さん」
「まあね♪ あ、悠木さん、今日はいろいろありがとうね」
「ううん、いいって。お姉ちゃんのことなら、私に任せておいて」
「お礼に、今日のお昼は私がおごるわ。孝平、いいわよね?」
「ああ、それじゃあ食堂に行こうか。紅瀬さんもよかったら一緒に行かないか」
「……貴方が、奢ってくれるの?」
「なんでそうなる」
「女を誘うということは、そういうことでしょう」
「いいわ、今日は私が奢ってあげる」
「……千堂さんが?」
「妻としては、器の大きいところを見せておかないとね」
 バチバチと、ふたりの間に見えない火花が飛んでいた。



「あ、支倉先輩。こんにちは。皆さんもおそろいで」
 孝平たちの姿に気づいた白が、ぺこりと頭を下げる。
「ああ、白ちゃん。白ちゃんはもうお昼済ませた……よね」
「はい。先ほど食べ終わったところです。先輩方は、ちょっと今日はゆっくりですが、何
かあったんでしょうか」
「うん……まあ、ね」
 ここに来るまでの間に、瑛里華と桐葉の間でひと悶着あったのだが、ややこしくなるの
で、孝平は苦笑を浮かべてごまかすことにした。
「それじゃ、俺たちはごはんを食べてくるよ。また放課後に」
「はい。それでは失礼します」
「さて、俺たちもメシにしよう。先に場所を取らないとな……」
 孝平があたりを見渡すと、馴染みのある声が聞こえてきた。
「おーい、こーへー。ここだよ~」
 そんな呼び方をするのは、この修智館学院にはひとりしかいない。
「かなでさん。……やっぱりお鍋ですか」
「そうだよ。寒い冬も、あったかい春も、あっつい夏も、心地よい秋も、おなべはいつで
もおいしいんだもん♪」
「そう言われると、すごく美味しそうに見えてきますね」
「みんなの分もあるから、みんなで食べようよ♪」
「そうしようかな、瑛里華、いいか?」
「え、ええ。孝平がよければ、私は」
「どうした、熱い鍋が苦手なら、俺がふーふーしてやるぞ?」
「だっ、大丈夫よ。自分でふーふーできるから!」
「ふーふーと言うよりは、夫婦喧嘩を見てるみたいだね、紅瀬さん」
「そのようね。ふふっ、まったく、からかうネタには事欠かないわね、このふたりには」



「ねえ、千堂さん。……お姉ちゃんが近くにいるけど、いいの?」
 みんなでかなでの鍋をつつきながらの昼食。陽菜は隣の瑛里華に心配事を思いきって聞
いた。
「大丈夫、だと思うわ。悠木先輩も、こんなに大勢の生徒たちがいる中では、無茶なこと
はしないでしょう。元とはいえ、風紀委員長だった人だもの。それに、ふ~、こんなに美
味しいお鍋を前にして、他の事に気を取られていたら、はふはふ、お鍋に申し訳ないでしょ♪」
「……そうだね、うん。ごめんね、変なこと聞いちゃって」
 笑顔の瑛里華につられて、陽菜も笑顔になる。
「あ、孝平くん。このお肉、もう食べごろだよ、取って上げるね」
「お、ありがとな、陽菜。それじゃお返しにこのしらたきをどうぞ」
「ありがとう。あ、えりちゃん、このちくわとっても美味しいから、どうぞ」
「サンキュー、陽菜。じゃあ、紅瀬さんにはこのはんぺんを上げるわ♪」
「そこへ、この鉄人特製の一味をどさっと!」
「おおお、お姉ちゃん何やってるの?」
「何って、きりきりのためのトッピング」
「……あら、なかなか美味しいわね」
「ほおら♪」
「……どう考えても、紅瀬さんオンリーよね、あれ」
「そうだな。俺たちは俺たちで食べよう。ほら、瑛里華」
「ありがと、孝平♪」
 美味しいお鍋が、みんなの笑顔を作り出してくれた昼食だった。



「悠木先輩のおなべ、すごくおいしかったわ。この喜びは、みんなにも共有してもらいた
いと思わない?」
 放課後の生徒会で、瑛里華は興奮冷めやらぬ様子で熱く語りだした。
「今日はかなで先輩のお鍋だったんですか。わたしもご一緒したかったです」
「突然だったからね。今度また機会があったら、白ちゃんにも連絡するよ」
「ありがとうございます、支倉先輩」
「こら、そこのふたり。ちゃんと聞いてるの?」
「聞いてるって。で、具体的にはどうするんだ」
「生徒会で、鍋パーティーを主催する、というのはどうかしら」
「鍋パーティー、ですか……。となると、予算の確保と先生方の許可、材料の調達と会場
の設営など、やることはたくさんありますね」
 白がてきぱきとホワイトボードに項目を書き上げていく。
「別に反対するわけじゃないんだけどさ、それってどっちかというと白鳳寮のイベントっ
て気がするんだけど」
「確かに、今までもバーベキュー大会やオークションなどの実績があるわね。……でも、
生徒会が主催したっていいんじゃないかしら?」
 瑛里華はいつもの勝気な笑みを浮かべる。
「ううん、別に生徒会主催じゃなくてもいいの。寮主催でもかまわないの。みんなが喜ん
でくれる学院生活。それが私の目標なんだもの」
「瑛里華先輩……かっこいいです」
「ああ、やっぱり瑛里華はすごいな」
 白と孝平が褒めると、瑛里華は真っ赤な顔になった。
「ほ、褒めてもボーナスなんて出ないわよ。それじゃあ、この件は寮と共同で進めてみま
しょうか。今夜、寮長の陽菜に話をしてみるわ」
「そうだな。スタッフは多いほうがいいし、そのほうがみんな参加してくれるような気が
するよ」
「ありがとう。それじゃ、このイベントも思いっきり盛り上げるわよ、孝平、白!」
「おう」
「はい♪」
「みんなで力を合わせてがんばりましょう。えい、えい、おー♪」



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