2004/04/01

「雪さんのドキドキめざまし」(水月)



 ふわっと浮かんでいるような感覚。
 夢と現実の狭間がこんな感じなのだろうか。
 ゆうべは自分のベッドで眠ったのは覚えているし、実際に今眠っているという感覚もあ
る(眠っているのにどうしてわかる、と聞かれると困るけど)
 かといって、夢を見ているわけでもない。
 意識は目覚めかけているものの、身体が起きてくれない。
 そんな感じ。
 なんとか寝返りをうとうとしてもなかなかできなくて。
 たっぷり10分ほど時間をかけて、ようやく身体を横にすることが出来た。
 首をひねって枕元に置いてある時計を見る。
『6:10』。
 無機質なデジタル表示を見て、今日はいつもよりも早いなあと、のんびりした感想を持っ
た。
 せっかく早起きしたというのに、これじゃ何もすることができない。
 意識だけが起きていても、身体が起きてくれないんじゃ全く意味がない。
 どうしたものかと思っていると、すたすたと廊下を歩く音が聞こえて、そしてトントンと
ドアをノックする音が聞こえた。
「透矢さん。起きてらっしゃいますか?」
 控えめだがしっかりとした口調。雪さんだ。
 雪さんは、僕、瀬能透矢の専属のメイドさん、ということになっている。
 なんでもこなすすごい人で、いつもお世話になりっぱなしだ。
「透矢さん?……失礼します」
 僕の返事がなかったからだろう、雪さんはドアを開けて部屋に入ってきた。
 僕はといえば、返事をしたかったのは山々だが、声を出すことが出来ない状態だ。
 もしかして、これは『金縛り』という状態なのだろうか。
 今さらながらそう思った。
 部屋に入ってきた雪さんはベッドの傍らに立つと、
「おはようございます、透矢さん。そろそろ起きないと学校に遅刻してしまいますよ?」
 と言った。
 あれ?さっき見た時計は確か『6:10』だったはず。この時間ならあと1時間はゆっく
りしてても大丈夫なはずだけど。
 動けず声も出せない状態なので、時計の方に視線を動かすと、雪さんもつられてそっちを
見た。数秒間の間の後、
「どうやら時計が止まっているようですね」
 と言った。
 ………………あまりにもありがちな展開で、思わず苦笑した。
「では、起きてくださいますか?朝ご飯の準備も整っていますから」
 雪さんの言葉に従いたいのだが、やはり身体は言う事を聞いてくれない。
「……?お身体の具合でも悪いんですか」
 雪さんは僕の額に手を伸ばす。雪さんの手の感触はひんやりとしていて、けれど柔らかく
て気持ちよかった。
「熱は……ないようですね。では、失礼します」
 そう言うと、雪さんは僕の布団をめくった。
「……あら、こちらは元気なようですけど」
 雪さんはソレを見て、いたずらっぽく笑った。
 僕は自分の身体なのにどうすることもできず、ただ顔を真っ赤にするだけだった。
「これは……静めないといけないようですね」
 ゴクリ、という音が雪さんの喉から聞こえたような気がした。
 雪さんは手馴れた様子でソレを引っ張り出すと、
「ご奉仕……させていただきますね?」
 と言うが早いか、ソレをぱくっと口に含んだ……。



続きが気になる方は……。





ごめんなさい。
続きなんて書けません。



��月1日だから、なんとなく書いてみようという理由で書いただけなんです。



それでも続きが読みたいと言う方は、掲示板なりメールなりでご連絡をどうぞ。
場合によっては続きを書くかもしれません。



ちなみに、この作品をPC版とすると、コンシューマー版が毎月連載予定の『雪さんSS』に
なります。ご了承ください。



本当に期待してこのページに飛んできた方。
申し訳ありませんでしたー(ぺこり)。



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